【株式投資】老後2000万円問題

2021年4月5日


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老後生活2000万円必要?!!!!

皆様ご存知の通り、先日、金融庁からショッキングなレポートが発表され大物議をかましています。

それは、老齢夫婦が65歳から年金を貰って生活をしていった場合、95歳まで生きたとしたら、約2,000万円の貯蓄がないと成立しないというものです。

もう少し丁寧に説明すると、65歳で夫婦ともに無職で年金以外の収入がない場合、世間一般並の平均的な生活レベルを維持するとなると月額5.5万円、年間で約66万円の資金が足りなくなります。

この状態で95歳まで生きるとなったとき(66万円×30年間)、約2,000万円の資金が必要ということです。尚、平成28年の厚労省調査によると、男性の平均寿命は84.55歳、女性89.38歳とのことです。

出展:iDeCo

これを受け、『老後2,000万円の貯蓄がないと生活できない!!!』といった言葉のみが独り歩きをして、世間を大混乱に陥れました。

実際2000万円貯めるには???

実際に、65歳までに2000万円を貯めるとなった場合、どのくらいの期間かかるのでしょうか?

投資の神様ウォーレンバフェットは、年間30%リターンを10年連続で続けたら天才と言っています。

ある1年だけ30%以上の運用を行っているヘッジファンドや個人は世の中に沢山あるのですが、10年間それを続けているファンドは殆どありません。多くのファンドは目標リターンを上げることが出来ず、投資家が資金を引き揚げてしまい潰れてしまっているのが、実情です。

東大やハーバードクラスの天才達がチームを組んで立ち向かっても、ハイリターンを得続けることは難しいのです。要するに、私達、普通の人が年利10%や20%なんてリターンをあげ続けることは、捕らぬ狸の皮算用、ほぼ不可能ってことです。

天才達でさえ、上手くいかないことを、、、私達、普通の人達の能力で、年利数%のリターンなんて出来るのでしょうか?

そして、投資で2000万円貯めるなんてことが可能なのでしょうか???

以下、いくつかのケースでシミュレーションしてみましょう。

ケース1:元本500万円(複利&追加資金ナシ)

元本500万円で追加投資ナシの複利運用を1~15%くらいで運用した場合、どのくらいの資産になるのかをシミュレートしています。

◆1-5%(単位:千円)

1% 2% 3% 4% 5%
1年 5,050 5,100 5,150 5,200 5,250
5年 5,255 5,520 5,796 6,083 6,381
10年 5,523 6,095 6,720 7,401 8,144
15年 5,805 6,729 7,790 9,005 10,395
20年 6,101 7,430 9,031 10,956 13,266
25年 6,412 8,203 10,469 13,329 16,932
30年 6,739 9,057 12,136 16,217 21,610
35年 7,083 9,999 14,069 19,730 27,580
40年 7,444 11,040 16,310 24,005 35,200

◆6-15%(単位:千円)

6% 7% 8% 9% 10% 15%
1年 5,300 5,350 5,400 5,450 5,500 5,750
5年 6,691 7,013 7,347 7,693 8,053 10,057
10年 8,954 9,836 10,795 11,837 12,969 20,228
15年 11,983 13,795 15,861 18,212 20,886 40,685
20年 16,036 19,348 23,305 28,022 33,637 81,833
25年 21,459 27,137 34,242 43,115 54,174 164,595
30年 28,717 38,061 50,313 66,338 87,247 331,059
35年 38,430 53,383 73,927 102,070 140,512 665,878
40年 51,429 74,872 108,623 157,047 226,296 1,339,318

元金500万円で2000万円に到達するには、4%運用で約35年後、5%運用で30年、6%運用で25年とかなり厳しいです。

現在(2019年)10年物の日本国債は、マイナス金利の影響を受けており、マイナス運用(-0.130%)になっており参考になりません。

10年物のアメリカ国債の年利が約2.079%となっています(2019年)。アメリカ国債の格付けはムディーズでAAA、S&PでAA+と最高評価に近い安全資産です。

4%運用となると、株式や格付けの低い債券等、よりリスクの高いものに投資をせざる得なくなってきます。

元本500万円で、20年前後で2000万円に到達させようとする年利7%以上の運用が必要となってくるため、投資の勉強をしてきてない人(していても)には、かなり厳しい数字となります。

運用利率、リターンが高いということは、裏を返せばリスクが高いということを表しています。

上記のシミュレートより、元本500万円では、普通の人の普通の運用能力では、2000万円に到達させることは、非常に難しいということが分かります。

ケース2:元本1000万円(複利&追加資金ナシ)

元本1000万円で追加投資ナシの複利運用を1~15%くらいで運用した場合、どのくらいの資産になるのかをシミュレートしています。

◆1-5%(単位:千円)

1% 2% 3% 4% 5%
1年 10,100 10,200 10,300 10,400 10,500
5年 10,510 11,041 11,593 12,167 12,763
10年 11,046 12,190 13,439 14,802 16,289
15年 11,610 13,459 15,580 18,009 20,789
20年 12,202 14,859 18,061 21,911 26,533
25年 12,824 16,406 20,938 26,658 33,864
30年 13,478 18,114 24,273 32,434 43,219
35年 14,166 20,000 28,139 39,461 55,160
40年 14,889 22,080 32,620 48,010 70,400

◆6-15%(単位:千円)

6% 7% 8% 9% 10% 15%
1年 10,600 10,700 10,800 10,900 11,000 11,500
5年 13,382 14,026 14,693 15,386 16,105 20,114
10年 17,908 19,672 21,589 23,674 25,937 40,456
15年 23,966 27,590 31,722 36,425 41,772 81,371
20年 32,071 38,697 46,610 56,044 67,275 163,665
25年 42,919 54,274 68,485 86,231 108,347 329,190
30年 57,435 76,123 100,627 132,677 174,494 662,118
35年 76,861 106,766 147,853 204,140 281,024 1,331,755
40年 102,857 149,745 217,245 314,094 452,593 2,678,635

結論から言うと、元本1000万円でも1%運用では40年経っても2000万円には到達しません。

2%運用で35年間かかって+1200万円くらいなので、これも現実的ではありません。

4%運用で20年後に₊1100万円となり、このあたりが現実的な数値かと思います。

とは言っても、45歳のときに元本1000万円を用意をする必要があるので、ハードルは高いかもしれません。

逆説的に考えると、若い頃から投資運用及び貯金をして、

45歳までに1000万円くらいの資金を用意しておかないと、65歳になった時点で2000万円を用意することは非常に厳しいということです。

より短い期間、半分の10年で1000万円超の資金を作るとなると、年利8%運用が必要となってきます。年利8%の金融商品は存在しますが、リスク商品であることは間違いありません。

ケース3:元本1000万円&年36万円積立&複利運用

元本1000万円で年間36万円積立投資(3万円/月)を行い、複利運用を1~15%くらいで運用した場合、どのくらいの資産になるのかをシミュレートしています。

◆1-5%(単位:千円)

1% 2% 3% 4% 5%
1年 10,100 10,200 10,300 10,400 10,500
5年 12,024 12,631 13,262 13,919 14,601
10年 14,625 16,139 17,793 19,598 21,567
15年 17,461 20,242 23,432 27,086 31,267
20年 20,548 25,023 30,415 36,899 44,682
25年 23,905 30,581 39,028 49,691 63,122
30年 27,550 37,024 49,613 66,295 88,341
35年 31,505 44,478 62,580 87,761 122,676
40年 35,792 53,081 78,419 115,417 169,241

◆6-15%(単位:千円)

6% 7% 8% 9% 10% 15%
1年 10,600 10,700 10,800 10,900 11,000 11,500
5年 15,309 16,045 16,809 17,602 18,424 23,010
10年 23,711 26,045 28,584 31,344 34,341 53,563
15年 36,044 41,496 47,709 54,783 62,826 122,381
20年 54,008 65,165 78,491 94,378 113,291 275,612
25年 80,000 101,167 127,656 160,734 201,959 613,609
30年 117,397 155,594 205,681 271,191 356,666 1,353,369
35年 170,939 237,447 328,826 454,007 624,998 2,961,824
40年 247,269 359,986 522,257 755,082 1,088,033 6,439,440

最後は、元本1000万円&毎月3万円の積立(36万円/年)をしつつ、複利運用を行ったケースです。

この場合は1%運用でも20年後に2000万円に到達します。

4%運用の場合は、10年で約2000万円に到達、20年後には約3700万円とかなり余裕のある数字になります。

40歳くらいまでに1000万円を用意して、毎月3万円を投資に回して、年利3-4%で回すことが出来れば、2000万円は問題なさそうです。

若い内から対策するしかない

自分で計算してみて分かったのですが、月々3万円の積立で、達成期間が半分になるのであれば、試す価値があると個人的には思いました。

勿論、皆様のひとりひとりの懐事情や投資に向けられるお金の金額には違いはありますが、積立投資は投資先がしっかりしていれば、有効だと思います。

『年利3-4%が実現できるのか?』という問題がありますが、これ心配ないと思います。

アメリカへの投資

例えば、バンガード社が提供しているS&P500のETF商品(S&P500の詳細は、こっち

10年チャートを見れば分かりますが、基本的には右肩上がり、コロナショックで急激に下がりましたが、長期で見た時はノイズに過ぎません。

結果論ですが、5年前に買っていれば、今では倍になっています。

アメリカ投資の詳細

債券投資

債券は通常株式より安全資産と言われいます。

10年物のアメリカ国債の年利が約1.7%となっています(2021年)。アメリカ国債の格付けはムディーズでAAA、S&PでAA+と最高評価に近い安全資産です。

私は外債に興味があり、証券会社にそのことを伝えていたところ、先日、N証券が私のところにインドルピー建て債券(予定利回り4.8%/年)の提案がありました(断りました)。

運用期間は3年だったはずですが、この程度の商品は年柄年中、大手証券会社や金融機関が作っているはずです。

アメリカ国債をベースにリスク商品を組み入れて、4-5%を確保したり、1000万円程度の資金があるのでばれ、運用利率を指定してプライべートボンドを作って貰うことも出来ます。

但し、運用利率を高くし過ぎれば、それだけリスクが高くなることと同じなので、注意が必要です。

ロボアドバイザー

ロボアドバイザー使うという手段もあり、私はWealth navi をローンチの時から投資しています。

結果はこんな感じ

1年、2年といった短い時間で、また元本100万円にも満たないお金で、私達、普通の人達が2000万円というお金を作ることは不可能に近いです。

しかし、ある程度の元本と時間の元で、年間3-4%リターンを行うのであれば、2000万円というお金を作ることは可能です。

それには少しでも早く

  1. 投資の勉強を行うこと
  2. 貯蓄や投資を行うこと
  3. ハイリスク&ハイリターンの投資を行わないこと