【企業経営】はぐくみ基金
はぐくみ基金
「福祉はぐくみ企業年金(以下、はぐくみ基金)」とは、日本の企業年金の一種で、従業員の福祉向上を目的として設立された制度です。
はぐくみ基金は、企業が従業員の年金や退職金を運用するために設立するもので、企業は毎月従業員の給与から一定額を天引きして、年金基金に積み立てます。この基金は、投資による運用益を生み出し、将来的に従業員に対して年金や退職金を支給することができます。
はぐくみ基金は、従業員の福祉向上を目的として設立されているため、他の企業年金制度よりも運用益の一部を従業員に還元することが求められます。また、運用益の一部は、従業員の健康管理や福利厚生に活用されることもあります。
はぐくみ基金は、企業にとっても従業員にとってもメリットがある制度であり、企業は従業員の雇用維持や定着促進、従業員の健康増進、企業イメージの向上などの効果を期待することができます。また、従業員は、退職後の生活や老後に備えることができるため、安心感が得られます。
メリット
従業員の福祉向上が図れる
はぐくみ基金は、従業員にとって安心で、将来の生活に対する不安を減らすことができます。従業員は、老後に備えることができ、安定した生活を送ることができます。
雇用維持・定着促進が期待できる
はぐくみ基金は、従業員に対する企業の福利厚生の一環として位置付けられることが多く、従業員の満足度が向上することで雇用維持・定着促進につながるとされています。
企業イメージの向上が期待できる
はぐくみ基金を設けることで、企業の社会的責任感が高まり、企業イメージの向上が期待できます。
税制上の優遇措置がある
はぐくみ基金には、税制上の優遇措置があるため、企業側にとってもメリットがあります。
控除額の増額
はぐくみ基金の掛金は、個人の所得税や住民税の課税対象となりますが、そのうち一定の金額が控除されます。はぐくみ基金に加入すると、この控除額が年間で最大で18万円増額されるため、税負担を軽減することができます。
税制優遇措置の拡大
はぐくみ基金は、企業側の支出も税制上の優遇措置があります。たとえば、企業の負担金額に対して税制上の控除が認められることや、会社の利益に対して課税される法人税が一定額軽減されることがあります。
法人税の繰延課税
企業がはぐくみ基金の掛金を支払う場合、法人税の繰延課税制度を利用することができます。これは、支払った掛金額を法人税から差し引くことができるため、キャッシュフローに余裕がある場合には、節税効果を得ることができます。
デメリット
資金運用のリスクがある
はぐくみ基金は、投資による運用益が基本的な収益源となるため、資金運用のリスクが存在します。
運用益の不足による負担増加
はぐくみ基金は、運用益によって支払いが賄われるため、運用益が不足すると企業が負担を増やすことになります。
運用方針の問題
はぐくみ基金の運用方針について、企業や従業員の意見が一致しない場合があります。
設立・維持費用の問題
はぐくみ基金を設立・維持するためには、一定の費用が必要であり、その負担が企業にかかることになります。
以上が、はぐくみ基金の税制上のメリット&デメリットの例です。ただし、税制メリット&デメリットについては法律が変更される可能性があるため、最新の情報については税理士や税務署に相談することをお勧めします。
1人社長でも加入出来る
福祉はぐくみ基金は、原則として、従業員や役員などの企業に所属する労働者を対象としています。ただし、経営者自身が従業員として企業に雇用されている場合や、企業が従業員として扱うことができる場合は、経営者も福祉はぐくみ基金に加入することができます。
具体的には、経営者が個人事業主である場合は、自己資金を投入して福祉はぐくみ基金に加入することができます。また、会社経営者であっても、会社が正規の雇用契約を結び、福祉はぐくみ基金の掛金を支払うことができる場合は、加入が可能です。
ただし、経営者が福祉はぐくみ基金に加入する場合には、税務上の扱いが異なることがあります。具体的には、経営者が福祉はぐくみ基金に加入する場合でも、税務上は経費にはならない場合があるため、詳しくは税理士などの専門家に相談することをお勧めします。