【株式投資】ゲームストップ株


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ゲームストップ株

1月の終わり、アメリカ市場において、ゲームストップ株が暴騰しました。

株価が暴騰すること自体は、大して珍しくもありませんが、ゲームストップという銘柄が爆上げしたことでマーケットに波紋が発生しました。

ゲームストップというのは、日本で云えば、GEOやTUTAYAです。よーするに、昔の言い方で云うならファミコンショップ、ゲームソフト販売店です。

昨今のスマホゲームの対等、ゲームのダウンロード化で、物的なゲームソフトの売上はCDやDVD等と同じで減っています。

更に物的なゲームを買うにしても態々店舗まで出かけずにアマゾンで注文すれば、ゲーム発売の当日午前中には手に入る時代です。

そのため、日本においてもTUTAYA等の店舗はドンドン閉鎖しているのが現状です。

アメリカのゲームストップも御多分に漏れず、一時は1兆円を超える売上が現在では6500億円まで減っています。

この様な将来性の無い会社の株が、なぜ急に跳ね上がったのでしょうか?

外道ヘッジファンド

ゲームストップは売上の激減が証左している通り、残念ながら将来性のある事業とは言えません。

それに目を付けたヘッジファンドが空売りを仕掛けました。

空売りの仕方がもえげつなく、空売りした株をどーゆー訳だか再度借りてきて更に売るといったようなことまでやっていたようです。

更に「将来性が無いよ」というレポートまで出して、徹底的に株価を下げるという外道の限りを尽くしました。

結果として、50ドル近くあった株価は2020年の7月には、一時は4ドルを割るような状況、つまり1/10以下まで叩き下げることに成功しました。

ゲームストップの経営者としては、真面目に経営しているのに、こんな事されてはたまったものではありません。

勿論、一般投資家も必要以上に株価を下げられ、損害を与えられている状態です。

個人投資家の逆襲

一部の投資家は極端に下がっているゲームストップ株は買い進めていたようですが、相変わらず、低空飛行をしています。

その状況が変わったのが、1月の半ば辺りからです。

個人投資家がredditという掲示板、日本で云えば2ちゃん、5ちゃんの様なところのスレッド『WALL ST bets』にて、執拗以上に売り込まれているゲームストップ株を購入し『ヘッジファンドに一泡吹かせてやろう』という動きが起こりました。

これに多くの投資家が賛同し、ここにロビンフッドと云う株式売買アプリが相まって、ゲームストップ株が買われ始めました。その結果、ゲームストップ株はトンデモナイ暴騰をします。

1日で価格が2倍以上に跳ね上がるなんてことも起きました。逆に1日で半値とは言いませんが極端に暴落したりもしています。

このゲームに参加している人達はゲームストップ株に将来性があるとは思ってないのですが、例え、幾らかの金を損してでも『ヘッジファンドに一泡吹かせてやろう』という思いで行動に出ています。

ウォール街やエスタブリッシュメントという一部の超エリートに対する一般庶民の反乱と見ることも出来ます。

そして、ここまでNY市場は上げ過ぎたこともあり、この祭りをきっかけに一気にリスクオフ状態へとシフトしました。

ロビンフッドとは?

今回話題に出てくる株式売買アプリのロビンフッド、このアプリを利用している人を『ロビンフッダー』と呼びます。

日本Verはリリースされていませんが、株の売買手数料がかからないというアプリです。そのため、一般証券会社を通すよりも利幅が得やすいといったものです。

「売買手数料が取れないのに、ロビンフッドはどこから収益を得るのか?」という疑問があると思います。

その答えは、ロビンフッドは一般投資家のポジションを機関投資家に売っているのです。

機関投資家との関係

ロビンフッドにとって、ロブンフッドユーザーである『ロビンフッダー』はお金を落とすお客様ではなく、真のお客様はウォール街、機関投資家なのです。

一般投資家がどのようなポジションを持っているのかを知ることで、HFTファンドやシトロンやメルビンが行っていたような空売りや釣り上げする銘柄に狙いを付けます。

HFT(High Frequency Trading)ファンドは、一般投資家の売買情報を得ることで、人間の反応速度では到底不可能な超高速取引を行い、人間が行うトレードから僅かな利幅を取っていきます。この様な細かい小さな取引を1日に何百何千と重ねることで膨大な利益を得ています。

シトロンやメルビンの様な(空売り)ファンドは、一般投資家が現在耐えているポジション情報を得ることで、どの程度の空売り、釣り上げでポジションをロスカさせることで利益を得ようとしています。

下記のオーダーブックは為替のものですが、株式や他の金融商品においてもこの様なものが存在します。

この様な機関投資家は情報の非対称性を利用して、一般投資家を陥れ利益をあげていると言われても仕方がありません。

個人投資家の勝利

NY市場は、個人投資家の逆襲、反乱によって、極端に下げていたのですが、当のゲームストップ株は下がることなく逆に暴騰していきました。

ゲームストップ株に対して、空売りをしていたヘッジファンド(シトロン・キャピタル、メルビン・キャピタル)が大損害を食らいました。

メルビンは運用額の半分、6000億円を失ったと言われています(^∇^)m9ザマー

シトロンに関しても、今後は空売りから撤退すると発表をしています(本当に止めるのか?)

一般投資家の勝利の瞬間です。

この間、ゲームストップ以外にも、幾つかの空売りされている株が暴騰しており、理由は基本ゲームストップと同じです。

取引不可と不公平

一方で、この間、NY市場は強烈な下げにみまわれました。そのきっかけになったのは、株式投資アプリのロビンフッドにおけるゲームストップ株の追加買いの停止措置です。

よーするに、『皆が一致団結して買おう!』となっている中、ロビンフッドによるゲームストップ株、他一部の株の購入が出来なくなるといったことが起こりました。

これが一般投資家の怒りに油を注ぐことになってしまいました(訴訟まで発展しています)

よーするに、ウォール街、ヘッジファンドはヤリタイ放題に空売りしたり、釣り上げをしたりしているのに、一般投資家がそれを行おうとすると禁止をする。

それは『不公平じゃないか!!!』ということです。

この流れに乗るように、政治サイドも動き出し、オカシオ・コルテス(民主党・極左)、テッド・クルーズ(共和党)が『不公平』だと声を上げました。

『不公平』という点では一致しているのですが、その理由に関しては、コルテス(金持ちが更に儲けるのオカシイ)とクルーズ(機関投資家と一般投資家の差別はオカシイ)で全く違います。

尚、株が購入できなくなった理由は、ロビンフッドの資金枯渇が原因と言われており、4000億円近くの資金調達があったため、購入禁止銘柄の解除を順次していくということです(本当か?

終息の形

ヘッジファンドを倒した今、いつまでも株価を高値で保つことは出来ないはずです。

最終的には、10ドルなのか、20ドルなのかは分かりませんが、現在価格300ドルよりも大幅安な価格にまで落ちていく筈です。

下値で購入している人は利益を出すことも出来るでしょうが、高値買いの大多数は結構な損をして終了ということになりますが、それがいつなのかは分かりません。

皮肉なことですが、それこそ、今空売りしたら、結構な利益が出るかもしれないです。そのポジションを取っている人もいるはずです。