『地上げ』なんて響きだと、893を想像するかもしれませんが、バラバラの土地を纏めて、高値で誰かに売るなんてことは、色々な不動産会社でやっています。正直、そこまで珍しい話ではありません。
私も去年でしたが、知り合いに池袋近くの土地で『地上げを手伝わないか?』と誘われました。別に脅すとかそんな話ではなく、端的に言えば売買交渉です。関係する地区の土地保有者が20人以上おり、1人で全部交渉するのは手間なので、手伝って欲しいということです。
20人数人で、反対しているのが3,4人だったかな?この人達と話を決着させることが出来れば、報酬として大金が支払われるってものです。ちなみに、その報酬を支払ってくれる人は、土地が纏まった場合、有名デベロッパーが購入するという約束を取り付けていたようです。
しかし、他人の仕事を行えるほどの余裕がなかったので、この話は断ってしまいました。報酬としては数億円の話だったので、2人で交渉纏めれば、1人頭でも億のお金でした。つっても、話を纏めるのは、相当に大変でストレスの掛かる仕事のはずですし、そう簡単に纏まる訳がありません。
しっかし、バラバラになった土地を再度形成するのは、めっちゃ大変なのに、どうして国はバラバラになってしまうような状況(相続税等)を放置しておくのか、全く私には理解できません。
23区の住宅地なんて、纏まった土地じゃ買い手が付かない&儲かるということから、土地をバラバラに細分化して、1階が玄関と車庫、2階にリビング、3階に居室なんて、建売ペンシルハウスばっかりです。最近良く見ますよね、何とかハウスって。
商業地域も細いペンシルビルに飲食店や貸金業者、風俗店が詰め込まれている状況を皆さんも目にすると思います。ワンルームマンション規制なんてやっているのだから、土地の細分化規制(一部やっているところもありますが)とか、ペンシルハウス&ビル規制とかも、全面的にやって欲しいもんです。
さと、話戻しますが、『空室対策&満室方法』内で定期借家契約と普通借家契約の話をしました。その際に普通借家契約の借主有利の状況を利用して、多額の補償金や引っ越し代を請求するクソ借主がいると話したのですが、私がサラリーマン時代に見たことを話したいと思います。
アパマンでの話ではありませんが、外国人観光客にも大人気の観光地である浅草で某ビジネスホテル計画をした一部上場の不動産会社がありました。浅草の中心地、浅草寺周辺の土地というのは、底地は全部浅草寺のものです。
あの辺にある商店は、浅草寺から土地を借りて、その上に建物を建てて商売しているのが大半です。そのため、その不動産会社は、まず建物のオーナーチェンジという取引を行いました。
分かる人には分かると思うのですが、浅草という時点で危険な臭いがしますよね?だって、反社が多い地域です。購入した建物にテナントとして、パチンコ屋が入居していました。こーなってくると、ヤバさ全開ですよね。
前出の不動産会社は、当然、半年前告知をし、出ていってくれと交渉をしていたのですが、そこに入居していたパチンコ店だけが最後まで退去しませんでした。こーゆー輩が出てくるから普通借家契約は怖いんです。
現在はビジネスホテルが出来上がっていますが、結果としてオープン予定が年単位でズレていました。ホテルのオープンがズレ込めば、収益発生も遅れます。不動産は確保しているのに収益が上がらない状況です。当然に建設会社との工事契約も結べません。会社としては、時間を掛けるほど損失が発生する可能性が高まります。
最終的に、どーやってパチンコ店に出て行って貰ったのでしょうか?そりゃ皆様の想像にお任せしますが、多分ソレで合っています。
こーゆー輩は不動産業界にいると色々と話として入ってきます。ただ、ヤリ過ぎると何が起きるのか?皆さん聞いたことある「地上げ屋」なんて人達が出てきます。
さっきのパチンコ屋みたいに、最後まで粘るような態度をした場合、手を引いてしまうケースもあります。せっかく99%話を纏めたのに、1%のために事業が頓挫となると勿体ない。そーなると、本当に怖い人達が出てくることがあります。それが皆さんが想像する方の『地上げ屋』です
バブル期には、この手の人達が沢山いて、六本木等では大変なことになっていたようです。『ダンプ運転手が運転を誤って、ダンプが建物に突っ込んだとか』『良く分からないけど、建物から出火したとか』謎の事故が発生して、当該建物を取り壊さざる得ないなんてことが発生したらしいです。が、最近では余り聞かなくなりました。
ってか、私がサラリーマンやっている時は、先のパチンコ屋の話は入ってきましたが、〇してでも、立ち退かせるとか、土地を購入するなんて言うのは聞いたことありません。
地上げが上手くいかなかったのだろうなと想像しているのが、日本橋の三井タワーと三井室町タワーの間にある角ビルです。恐らく、我らが三井不動産は三井室町タワーの開発時に、土地の買収なり、出来上がった建物の権利割当、区分所有等を行ったはずです。でも土地の所有者が首を縦に振らなかったのだと思います。
そのため、東京を代表するような超大型ビルの角地にペンシルビルが残ってしまっています。今後50年近く、日本橋の風景があのままの形で行くのかと思うと、、、、、
こーゆー例は、街中には結構残っており、先程出た浅草にもありますし、港区や千代田区にも多々残っています。麻布警察の真向かいの巨大駐車場の中にポツンと1つ建っているビルも、傍から見ると不自然です。
ってな感じで、「皆さんが想像するような『地上げ屋』さんは存在はしているのでしょうが、今現在では殆ど活動していません」で、話を終わらせてようと思っていたのですが、大阪で、トンデモナイことが起こっているようです。
現在2チャンネルで話題になっている『GIGAZINEのケース』です。
『ある日、いきなりショベルカーで保有不動産を破壊される』
という現代日本において、本当にそんなことが発生するのか?許されるのか?といった、かなりショッキングな内容です。
不動産業界に長く身を置いていますが、21世紀の日本において、こんな話は聞いたことがありません。
しかも、現状、所轄署は『現行犯であっても、逮捕も出来なければ、破壊行為を止めさせることも出来ない』というのです!!!
『ほんま、どーゆーこっちゃ?』って感じですよね。話が進展次第、追記します。