N証券会社の営業の女の子が訪ねてきました。ネット外の発注は手数料が高く付くので興味がないと断ったのですが、そこは生粋の戦闘民族のNです。女の子だろうとそんな言葉じゃ帰りません。
そこから「債券は?」「外国株は?」「ラップファンドは?」「投資信託は?」と、色々と商品提案をしてきます。大学院では金融・経済の研究をしていたこともありますし、多少の商品は違えど、大方の仕組みは理解しています。投資自体も大学生の頃からやっており、ファンドOBでもあります。なので、押し返します。
N女子のターンになり「IPOは?」と聞かれました。正直、『IPO』に関しては余り良い印象が無く、引き受けた株を売りさばけなかったので、日頃取引の無い一般顧客にぶつけているといったイメージです。まー実際、これはハズレではないと思います。当然に『IPO』も撥ね返し、出かけることもあって話を打ち切ったのですが、ただ、彼女が帰った後、若干引っ掛かる面もあるので調べ直してみました。
IPO株は儲かるなんて話を良く聞きますが、実際はどうなのでしょうか?2018年の年間IPO件数とその勝率を調べてみると、下記の表の通りとなります。
最終勝率は88.8%と相当に良い数字になっています。全てのIPOに当選して、IPO当日の最高値で売り抜けることが出来た場合、ざっくり2200万円の利益が出ます。しかも負け金額の合計は、たったの20万円程度です。
自分で調べてみて、ビックリしましたが、これはかなり美味しいですね。しかも、超大型株や有名銘柄ではなく、聞いたこともないような会社の上場の方が美味しい気がします。後は、本数の少ないものですね。
最もキャピタルゲインを出した銘柄は『HEROZ』で公募価格4,500円だったものが、初値(最高値)で49,000円を付けています。45万円だったものが、490万円になったということで、988.9%の上昇率です。当選した人、ウハウハですね。
IPO数(初値勝) | 勝率 | 初値勝 | 初値負 | |
1月 | 0(0) | 0 | 0 | 0 |
2月 | 2(2) | 100% | 1,159,000 | 0 |
3月 | 14(12) | 85.7% | 4,119,400 | 17,900 |
4月 | 8(8) | 100% | 7,196,000 | 0 |
5月 | 1(1) | 100% | 14,500 | 0 |
6月 | 11(11) | 100% | 2,150,800 | 0 |
7月 | 9(9) | 100% | 1,553,200 | 0 |
8月 | 3(3) | 100% | 387,400 | 0 |
9月 | 12(10) | 83.3% | 1,526,800 | 20,400 |
10月 | 9(8) | 88.8% | 1,297,500 | 38,500 |
11月 | 2(2) | 100% | 516,000 | 0 |
12月 | 19(15) | 78.9% | 2,399,100 | 121,700 |
計 | 90(80) | 88.8% | 22,319,700 | 198,500 |
って、思った人、そんな甘くありません。これは上がるなんて思われているものは、引き受け手の目途が立っているので、一般人になんてまず回ってきません。何故上がると分かるのか?勿論100%上がるとは言い切れませんが、枚数が少なければ、希少価値が高まるので初値上昇確率も上がりますよね。少量余っていたとしても、そんな場合、日頃から大量発注をしている人、特にネット経由ではなく証券会社の営業マンを利用している人のところにいくのです。
なぜか?こんな人達は大体損しています。上がるか・下がるかなんて誰も分からないのに、証券会社の営業マンはお金を持っている頭の弱い人、例えば老人なんかに高額な商品を売っているのです。自分の営業成績のため、「損させてしまって悪いな・・・」と思っているからこそ、これは上がるって分かっているIPO株は、日頃お世話になった人のところに行くのです。少しでも儲けて貰うために、そしてまた買って貰うためにww
なので、普通の人のところには回ってくる場合は、完全に運になります。枚数自体も少ないため、中々当選しないのです。昨年末にIPOをしたソフトバンク株は大量に発行されていたため、引き受け側で捌ききれないため、日頃取引をしていないような一般人にまで回ってきたようなもんです。
引き受け顧客が探せない場合、残りの株式は全部証券会社で引き受けないといけないですからね。だから、捌ききるために、一般人にまで話が回ってくるのです。残り物に福なんてないです。良い話はいつも上にいる人達にしか回らないです><
こーゆーパターンは大体巨大企業のケースが多い気がします。大きな会社になるので、発行株式枚数、調達資金が大きくなるので、法人営業だけでは捌けなくなり、一般顧客の方にまで流れるといったイメージです。これがIPOを調べる前、当初に感じたIPOへの懸念です。有名な会社、大きな会社だから安心(安心なのですが)と思って、IPOに手出すと失敗する場合もあるので、気を付けてください。
とは言っても、今回調べてみて、IPO株の初日売却は良い戦略だと思いました。応募自体は無料なので、今後は私も積極的に手を挙げようかと思います。