滞納発生しました><
保有マンションで10月、11月分の2ヵ月分賃料が支払われていない滞納状態が発生しました。
こーゆーときのため、散々シミュレーションしていた手順を追って記していこうと思います。
滞納者はどんな人?
結婚前提の若いカップルが住んでいる部屋です。
これまで入金名義が彼氏さんだったので、家賃は彼氏さん持ちだったようです。
詳細は書きませんが、彼氏さんの方の職業は、正直、不安定そうだなと思っていました。
彼女さんの方は年収は低かったのですが、安定はしていそうです。
世帯年収としては、600~700万円くらいにはなっていたので、契約を結んだのですが、1年経たずに滞納でした。
平均滞納率
今回のケースを機に全国の滞納率をざっと調べてみました。
※日管協短観より、mazmiro作成
1ヵ月の滞納率は2%以上5%未満、2ヵ月以上になると1%以上3%未満と云った感じでしょうか?
滞納被害に遭うなんて、やはり稀なようです。
首都圏より関西圏の方が滞納率が高めのようですが、ここ2,3年は逆転している年もあるようです。
今回は2ヵ月分滞納されているのですが、この僅か数%を引くとは・・・運が悪いとしか言いようがない。
滞納時の手順
滞納されたときは、順番に下記の作業を行う感じです。
- 督促状通知
- 滞納者と連絡を取り、催促・督促をする
- 内容証明郵便にて、督促状(or催促状)&請求書を送る
- 民事調停
- 裁判手続き
1~3に関しては大した作業ではありません。
手紙を送る、電話する、会って話をするというだけですが、内容証明郵便の場合は特定の郵便局でないと行えないのと普通郵便よりも費用が掛かります。
家賃を滞納しているので、他のものに関してもお金を支払ってない可能性が高いです。
その様な人に対しては、しつこいくらいの催促の手紙、電話した方が何もしない人よりは、先にお金が支払われる可能性が高いです。
しかし、催促・督促する際の言葉遣いや文章に関しては、注意しないと脅迫なんて受け取られる可能性もあるので、お怒りは十分承知ですが、気を付けましょう。
4~5に関しては、訴訟対応となります。
民事調停は弁護士を雇うことなく自力で行える程度の作業ですが、裁判までなってしまうと通常は弁護士に任せた方が良いです。
費用に関しては、民事調停は大したことありませんが、裁判までなると弁護士費用等が発生し、50万円~100万円近い出費は見ておいた方が良いです。
そのため、民事調停までに決着を付けるということが、一般大家にとっては大事になってきます。
とりま督促状
ってなことで、取り敢えず、まず『督促状』をポストに投函しました。
しかし、何の反応もありません。
仕方がないので、次に簡易書留郵便で同内容の『督促状』を出しました。
簡易書留に法的根拠はないのですが、確かに送ったという証拠とプレッシャーのため、2回目の通告は簡易書留で行いました。
今回はこの段階で彼女さんから連絡あり「自分名義で支払う」とのこと、そしてちゃんと支払われたので、今回はここで決着です。
彼女さんは家賃が滞納されていること知らなかったのではないかと想像しています。
滞納解消しなかったら
今回は無事家賃が支払われましたが、仮に2回目の督促状(2回目じゃなく何回目でも良いですが)が無視された場合はどうするのか?
その場合は、最後通告という意味で、内容証明郵便にて『催告状&請求書』を滞納者本人と保証人に送り付けます。
内容証明郵便で送る理由は、法的根拠になるからです。
仮に滞納者が「受け取ってない」「確認していない」等の言い訳をしても、ソレを跳ね除けるパワーが内容証明郵便には宿ります。
内容証明郵便はどこの郵便局でも出来るものではありませんので、ご近所の郵便局に聞くなり、ネットで調べてください。
次に『催告書』ですが、これは『督促状』と内容的には大きく変わりません。『督促状』よりもレベル上がったよって感じですが、法的にどーこーはありません。
保証人への連絡
保証人連絡に関しては、どの段階で連絡しても全く問題ありません。
それこそ最初の『督促状』を送る段階で保証人にも連絡を入れても構いません。
が、余り早くカード切ってしまうと、滞納者の対応も悪くなる可能性もあるので、多少猶予期間を見てからでも良いと思います。
『内容証明郵便』を送るときは、保証人対しても送ることをお奨めします。
最後通告も無視されたら?
最後通告となる『内容証明郵便』での連絡&保証人への連絡でも滞納が解消されないとなると、よいよ訴訟の可能性が出てきます。
訴訟となると『家賃滞納が3ヵ月以上』『こちらからの連絡に相手が何も対応しない』『相手を訪ねても捕まらない』なんて事実が重要になってきます。
大家さんとしては「お金も払わず不動産を占拠しているなんて、レストランで金も払わず飯食っているのと同じ!」って心境でしょう。
その通りなのですが、だからといって警察に頼んでも警察は民事不介入といって何もしてくれません。
なら、無理矢理追い出すってことで『勝手に部屋に入ったり』『鍵を交換してしまう』という行為を行うと大家さんが警察にパクられます。
こーなってしまった場合には、基本、訴訟を起こすしか手立てがなくなります。
その場合、即裁判ではなく、まずは民事調停からスタートとなります。
民事調停
民事調停は当事者同士を裁判所に呼び付け、調停委員(裁判官他)のいる前で話し合って問題解決を図ろうというものです。
民事調停を申し立てる際の必要書類に関しては、『申立書、申立手数料、相手方に書類を送るための郵便切手、添付書類等』を用意し、申立先の簡易裁判所に郵送で、又は直接、提出します。
申立書等は裁判所のHPに行くとフォームがあるので、それをダウンロードして記入すれば良いだけです。
平日開催
すると、裁判所から『いついつどこどこ裁判所に来て下さい』なんて連絡がきて、調停委員を交えて当事者間で話合いとなります。
この『いついつどこどこ』は当たり前ですが、平日に行われますので、会社勤めの人は会社を休むなりして来なければなりません。
滞納者なので仕事をしてない可能性は少なくもないですが、調停に正当な理由がなく欠席した場合は罰金(過料5万円)が発生します。
裁判所からの呼び出し&お国から過料を科せられるとなると滞納DQNも大体は出席するのではないかと思います。
全額回収は難しい
先に覚悟をしておいて欲しいのですが、相手が民事調停に出てきて、裁判官を含めて話し合いを行ったとしても、滞納額全てを回収できる見込みはありません。
『滞納DQNはすぐ部屋を空っぽにして出ていきなさい!代わりに大家さんは滞納額を少し負けてあげなさい。で、即出てって貰って貸せる状態にした方が得でしょ?』
って、裁判官から言われるのが通常です。
相手の支払い能力にもよってきますが、半分以上取れれば良しと思った方が良いです。
調停の効力
お金は全額回収出来ないかもしれませんが、調停で決着させることには大きな意味があります。
それは調停時の合意内容を破った場合には、調停に基づいて強制執行(強制退去)が可能になるということです。
裁判は基本損するだけ
『滞納DQNに一矢報いてやりたい!』『けじめ、責任を取らせたい!』『明け渡し請求の裁判をやって白黒付けてヤル!!』
って、大家さんの気持ちは痛い程分かります。
が、そこは「ぐっ!!」と我慢した方が金銭的には得になることが多いです。
実際に裁判となると弁護士費用が発生するのが通常です。
損するポイント
弁護士費用に関しては100万円近く掛かることは覚悟しておいた方が良いです。
更に裁判期間として、1年近くかかることは見ておいた方が良いです。
仮に、この『明渡請求』に関する裁判に全面的にあなたが勝ったとしても、滞納DQNを部屋から追い出すためには、更に強制執行(強制退去)の手続きを裁判所にしなければなりません。
ここで更に時間が取られます。
裁判に突入することで、弁護士費用&賃料収入機会の損失と金銭的に損することが多いです。
自己弁護も出来なくはないが・・・
裁判に関しても、自己弁護というのは可能なのですが、民事調停と比べ、圧倒的に手続きが面倒です。
また裁判特有のお作法なんかもあるので、業として行っていなかった人が、それをこなすことは通常無理があると思われます。
なので、金銭的にも損することが殆どなので、裁判まで持ち込まないということが重要です。
しかし、それでも相手を立ち退かせるために裁判をしなければならない場合もありますが、これはまた別の機会に書きます。
出来る限り損失を抑えるのであれば、滞納が始まったら即催促・督促を行って早めにお金を回収し、早期に滞納DQNを追い出す。
それに対する行動をすることです。